ぬまぞこ思考ログ(極めて浅い)

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狭く浅い知識と少ない語彙で書き連ねる思考ログ

金属バット(芸人)を好きになった話の続き。【ラジオの話】

 

satori0875.hatenablog.com

これの続き。

いつもヘラヘラして真面目な質問には徹底してふざけた返答をし口も悪く掴み所のない二人のことを深く知りたいと思い、既に200を超えていたyoutubeのラジオ音源を聴き漁る日々がはじまった。

(本人も言ってるけど初期の音源はなかなか聴いてられないクオリティだった(ラジオ慣れしていない上に知らない人の名前ばかり出てきてよく分からない)ので最新のものから遡って聴くことにした。今から聴き始める人も、初回から聴いて無理だと思っても200回過ぎたぐらいの適当な回から聴いたら楽しめるかもしれない。)

 

何ヶ月もかけて一通り聴き終えたものの結局のところ深い部分の本音や情熱のこもったトークはほぼ聴けず、ただ下ネタや差別発言にコーティングされたその奥から滲み出る優しさや真面目さを(勝手に)感じ取ることはできた。

不良が野良猫に優しくしてると普段とのギャップの大きさから一気に好感度が上がる傾向にあるけど、そういうの差し引いてもしても金属バットは二人とも真面目だと思う。もちろん「不良が野良猫に優しい」的な好感度の上がり方もしてるけど。


最初は30分だったラジオが、送られてくるメールが増えるに従って1時間を超え2時間に及ぶ長尺番組になっても届いたメールを全て読み上げるシステムが暫くの間続いていたり、独特すぎる長文メールに辟易しつつも毎回丁寧に全文読んでいるところも真面目だと思う。勝手にやってる自主ラジオなのだから自分たちのやりやすいようにすればいいものを、どんなにアクの強い文章でも律儀に読みあげる。こちらは二人が辟易している様子も含めて大変楽しい。

変化球メールから思わぬ方向へ膨らんでいく話題と、それでも毎回最後はちゃんとリスナーの質問に返答しありがとうございましたと添えて締める流れも良い。

 そんな感じで最初は不快だった椅子の軋む音やゲップ、放屁すらも寧ろ二人らしくていいと思い始めた頃にはもうすっかり沼に浸かっていた。

 

いつも飄々とした態度の二人は私にとってはオカルトに思えていたし、どこか浮世離れ俗世離れ人間離れした印象すら抱いていた。でもラジオを聴くと当たり前だけどちゃんと人間味のある人間だった。

 

先にも書いたがラジオから二人のお笑いについての熱い話を聴けることは皆無である。

しかし二人は頻繁に「あの人らのネタが面白かった」「あのコンビはスタイル変えてきた」と感想を言い合っていたりする。M-1に対する意気込みも冗談めかしてしか言わないが、結果を見る時に緊張してしょうがないなどと愚痴っているのでやはり並々ならない気合と覚悟で臨んでいるのだとわかる。2017年のM-1三回戦では警告音に驚いた小林さんがオチ台詞を飛ばし、たまにテレビに出ればあからさまに普段と様子が違ったりするので意外と緊張しいでもある。

そういう人間らしさが垣間見える度に、浮世離れした初期の印象からかけ離れていく筈なのにまた沼の奥に一歩進んでいくような気がする。

 学生時代にWhiteberryの「夏祭り」みたいな恋愛をしたかったと嘆く友保さんも、京極夏彦など重めの小説読んでるくせに漢字が全然読めない小林さんもギャップがいい。

そして偏見と差別にまみれたトークも不思議と笑って聴けるのは、クラスの5軍にいる地味な生徒が放課後集まって自分の事を棚に上げながら周りのクラスメートの悪口や噂話を言い合ってる感じと似てるからかもしれない。

当然内容は過激だし著しく偏ってるので聞く人が聞いたら怒るんだろうけど、結局は虐げられる側が影で好き勝手言ってるだけという雰囲気があるので私は不快にはならず聴いていられる。

こうして自分もキャンディホイップの仲間入りとなった。

 

最後に。

金属バットのラジオに関することで印象深い出来事が2つあるのでそれも書いておく。両方とも今年の9月に行われたラジオ最終回イベントにて。

ここからただの今更感しかないイベントレポ。

 

この日は諸事情により最終回を迎えることになったラジオ最後の公開収録だった。「売れたらすぐにこのラジオを辞めて動画も削除する」と散々言っていたものの結局別の事情で辞めることになり、それでも相変わらずのユルい調子で普段通りに喋っていた友保さんがイベントの一番最後に「売れたら辞めると言ってたけど(不本意な終わり方になったので)俺らが売れたらまたはじめる。それまで力溜めときますんで」と残した。この言葉で救われたファンは多かったと思う。実際それが叶うかどうかはどうでも良く、少しでもこうして思って言葉にしてくれたことが嬉しかった。

5年間も毎週続けたラジオにちゃんと思い入れがあるのだとリスナーにわかるように伝えてくれたと思う。

 

もう一つ、この日はグッズの即売会イベントも兼ねていたのだが、自分達の人気を侮っていたのか大人数が集まったイベントで時間配分や制約がひとつも設けられていなかった。

そのため記念写真だけに収まらず何枚も色紙にサインを頼む人や購入したグッズにサインしてもらう人など、一人あたりの対応に時間が掛かり予定の1時間では対応しきれなくなってしまった。

私自身はなんとか時間内に対応してもらえたものの、正直内心は(これだけ並んでる人いるのにだらだらサイン頼むなよ…)と苛立ちもありつつ結局きちんとルール決めされていなかったのが悪いとモヤっていたが、後半スタッフに「巻きで」とアナウンスされ困惑した様子の金属バットの二人はその後も嫌な顔ひとつせずお客さんを急かすこともなくサインをしたり写真を撮ったりと丁寧な対応を続けている姿が見えて、その様子にこちらのイライラもおさまった。(当然尺が巻けるはずもなく、時間内に収まらなくてイベント終了後にも即売会延長という対応がとられていた。)

 

勿論自分はファンなので贔屓目に見ていることは否めないし漫才ではない部分を褒めちぎったところで意味のないことなのかもしれないけど書いておきたかったので書いた。

 

今はとにかくM-1の敗者復活戦が楽しみで仕方ないです。